院長からの挨拶このページを印刷する - 院長からの挨拶


院長 白井正浩
2025年 新年のご挨拶

 新年あけましておめでとうございます。2025年(巳年)を迎え、皆さまにおかれましては健やかに新春を迎えられたことと存じます。巳年は「新たな始まり」や「次のステップへの移行」を象徴するともいわれますが、本年はまさに医療を取り巻く環境も大きな節目となる年です。

 いわゆる「2025年問題」として、わが国では段階的に超高齢社会が進み、医療・介護の需要が急増する一方で、少子化や人口減少に伴う労働者不足がますます深刻化してきています。さらには、2040年頃を見据えた地域医療構想でも、高齢者救急や慢性期医療の確保、在宅医療との連携強化など、持続可能な医療提供体制をどう築いていくかが大きな課題となっています。
 一方、海外に目を向けますと、アメリカではトランプ大統領の就任に伴って大きな政策転換が行われ、医療制度や保健分野においても国際的な影響が及びつつあります。また、2024年末より国内外でインフルエンザが猛威を振るい、多くの病院が機能不全に陥った事例も報告されています。感染症対策は、パンデミック対応やクラスター対策にとどまらず、引き続き医療機関として迅速かつ柔軟に対応できる組織体制が重要と考えております。

 私ども天竜病院は、重症心身障害児(者)や神経難病、児童精神など、特色ある専門領域の医療を提供しながら、地域の皆さまへ安全で安心な医療を届けることを使命としてまいりました。少子高齢化と過疎化が進む当地域では、医療アクセスの確保とともに、看護師をはじめとする医療スタッフの人材確保・定着も大きな課題です。しかしながら、当院はこれまでも培ってきた専門性とチーム医療を活かし、患者さま一人ひとりの暮らしを支えるために努力を重ねていく所存です。
 本年も、“地域に寄り添う病院”として、高度なケアが必要な方々を支えるとともに、地域包括ケアや在宅医療・福祉との連携をさらに深めることで、地域医療に引き続き貢献してまいります。どうぞ皆さまの変わらぬご支援とご協力をお願い申し上げます。

 本年が皆さまにとって穏やかで希望に満ちた一年になりますことを心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶といたします。
天竜病院 院長
白井正浩