Interview 04
病棟から地域社会へ
子どもを支え続ける看護を
これからも広げたい
児童精神科病棟(5病棟)
勤務年数25年(看護師歴25年)
Q1 現在の仕事について
子どもたちの「生きづらさ」に寄り添う
児童精神科病棟では、発達障害や虐待、不登校・引きこもり、感情コントロールの難しさなど、さまざまな「生きづらさ」を抱えた子どもたちと日々向き合っています。病棟での関わりに加えて、院内の児童精神科外来、天竜特別支援学校との連携、さらに退院後の訪問看護まで、医療と教育・家庭・地域をつなぐのが私たちの役割です。小さな成長の一歩を見逃さないよう、子どもの気持ちを丁寧にくみ取りながら、多職種チームで支援しています。
Q2 当院を選んだ理由は?
「寄り添う大人」に出会えた実習先で、そのまま看護師に
高校3年生の時、父の入院・死別を経験し、「困難な状況にある人に優しく寄り添える大人になりたい」と看護師を志しました。学生時代、天竜病院附属の看護学校に通い、実習で関わった先輩看護師や医師が、男女問わず熱心に指導し、温かい言葉をかけてくれたことが忘れられません。父を早くに亡くした自分にとって、その存在はとても心強く、「この人たちと一緒に働きたい」と思い、卒業後もずっと天竜病院一筋で働いています。
Q3 仕事のやりがいは?
子どもが自分の気持ちを言葉にできた瞬間に立ち会える
児童精神科では、自己肯定感の低い子や、自分の気持ちをうまく言葉にできない子が多くいます。挨拶ができた、気持ちを言葉で伝えようとした、怒りの感情を自分でコントロールしようと頑張った――大人から見れば些細に思える一歩でも、その子にとっては大きな成長です。「できたよ」と誇らしげに報告してくれる表情を見るたび、この仕事を続けてきてよかったと感じます。子どもだけでなく、親子関係や家庭・学校の環境が少しずつ良い方向に変わっていく過程に関われることも、大きなやりがいです。
Q4 ワークライフバランス、どう実現?
「父親役・母親役」という枠を超えて、夫婦で支え合う
実は、妻も同じ天竜病院で働く看護師で、2人の娘を夜勤と家事をしながら育ててきました。当時は男性の育休などはない時代でしたが、私自身、洗濯・掃除・料理など一通りの家事を担当し、「父親だから」「母親だから」と役割を決めず、その時に家にいる方が必要なことをやる、というスタンスで続けてきました。子どもが小さいころは、自分の両親にも手伝ってもらい、夜勤や残業の調整では職場にも助けてもらいました。周囲のサポートを素直に頼りながら、「一人で抱え込まないこと」が、看護師としても父親としても長く続けていく秘訣だと思います。
訪問看護も含めて、地域で子どもを支える仕組みを築きたい
虐待や不登校、発達の課題を抱える子どもは年々増えており、退院後の生活支援の重要性を強く感じています。近年スタートした児童精神科の訪問看護では、退院後3カ月ほど、ご家庭に伺い、家庭や学校、地域での様子を一緒に確認しながらサポートしています。入院中のことをよく知る看護師が続けて関われることは大きな強みです。今後はこの訪問看護をさらに充実させ、子どもたちが地域社会でのびのびと成長していけるよう、家族や学校、関係機関と連携しながら支援の輪を広げていきたいと考えています。
